マイ文化的景観
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蔵出し写真。
ケイトラを探してくれた、隣に住む先輩の田んぼ。
稲刈りシーズンの休日、僕の住む集落のいつもの風景です。

先輩の家は、いまどきの農村では珍しくなってきた大家族。
農繁期は家族総出で田んぼ仕事です。
普段は、先輩もお父さんも外に勤めに出ています。

集落にある田んぼの多くは、小高い森の間の沢沿いに広がっています。
森が多いので、田んぼに使う水は、大小たくさんの堤から供給されています。

この土地は、大規模な稲作には向いていないようで、集落のほとんどの人が兼業農家。
稲刈りはバインダーが主流なので、
ほんにょや稲架(ハサ)が田んぼに並ぶ景観になります。
こうした景観を眺めるのが、この土地に暮らす楽しみになっています。

学生時代は、休みの度に田んぼ仕事の手伝いをしている同年代を横目で見ながら、
「自分は農家じゃなくて良かった…」と自転車で遊びに行きましたが、
今ではすっかり見方が逆転し、こんな素敵な景観を作り出せる人たちが羨ましくて。

文化財保護法に「文化的景観」という保護制度があります。
暮らしや生業、風土の結果としてある景観に価値があり、
活用することで、保全していこうというものです。

自分が感じていた「良い景観」の価値の見出し方がわかりませんでしたが、
文化的景観の考え方を初めて聴いたときは、「これだ!!」と感動しました。
保護を受けることよりも、興味は文化的景観の価値観へ…

先輩の田んぼは、マイ文化的景観。
この田んぼの景観を作り出す先輩の家の「まで」な暮らしに価値があると。

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「文化的景観」を教えてくれたのは、文化庁の鈴木地平さん。
革靴にスーツ姿でも構わずに、田んぼへ走っていくカッコイイ人。
by keitoratourism | 2012-02-14 00:47 | column
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